はじめに
前回、大まかな構成について説明しました。今回は、ドメイン取得とGoogle Cloud Platformでのインスタンス作成、Cloudflareの設定まで行いたいと思います。
ドメイン取得
今回は、無料で運用するという前提のため、freenomを利用します。既にドメインを取得している場合は、この手順をスキップしてください。
freenomでは、「.tk/.ml/.ga/.cf/.gq」の5つのドメインを無料で取得できます。ドメインの割当は以下の通りです。
tk | ニュージーランドにあるトケラウ自治領 |
ml | マリ |
ga | ガボン |
cf | 中央アフリカ |
gq | 赤道ギニア |
アクセス後、Googleアカウントを持っていれば、簡単にアカウントを作成できます。希望ドメインを検索後、ドメインの空きがあれば作成可能です。更新期間がデフォルトでは3ヶ月になっているので、12ヶ月に設定することをオススメします。Order確定時には、ページの更新に時間がかかるので、少し待ちましょう。
具体的な手順や画像つきの解説は元サイト様をご参照ください。
【第2回】GCPの無料枠でdev.toなみの爆速WordPress環境を構築する(Freenomでの無料ドメイン取得編)
https://www.karelie.net/free-fast-wordpress-site-freenom/
この件について、実証実験した方がいました。
Freenomで取得した無料ドメインを放置して失効までの期間は90日の模様
https://henteko.net/internet-guide/0yen_free/freenom-free-domain-expire/
有料ドメインの取得
上記のような一部制限がまどろっこしい人は、有料ドメインを契約しましょう。
お名前.comやさくらのドメインで取得することが出来ます。
また、有料でもドメイン費を安くしたい場合は、フランスの大手データセンターを運用しているovh社が開放しているovhドメインがいいと思います。(英語必須)
為替変動がありますが、500円以下で運用できるようです。参考
Google Cloud Platform の設定
Google Cloud Platform(以下、GCP)は名前の通りGoogle社が提供しているクラウドサービスです。
基本的には、有料サービスですが、GCPには無料枠が設定されています。300ドル相当のクレジット付き 12 か月間 無料トライアル と決められた範囲内は無料の Always Free の2つがあります。参考
今回利用するのはAlways Free枠に設定されている Compute Engine というサービスです。
Compute EngineはIaaSに相当するサービスです。
他社でも同様のサービスは提供されていますが、GCPは f1-micro
VM という最小スペックの1インスタンスに限り無料で提供されています。(ただし時間課金で集計されます)スペック参考
また、VMが配備されるインスタンスについても、以下の3つに制限されています。(2019年9月1日時点)
- オレゴン:
us-west1
- アイオワ:
us-central1
- サウスカロライナ:
us-east1
他にも、HDD 30GB、 1 GB の北米から全リージョン宛ての下りネットワーク(1 か月あたり、中国およびオーストラリアを除く) という細かい制限がありますので、ご注意ください。
2021年8月14日追記
GCPの無料枠に変更がありました。 f1-micro →E2-Microが無料枠の対象になります。
GCPのインスタンスをF1-microからE2-Microに変更した話
GCPでのインスタンス作成は下記のサイトを参考に実施してください。(※実際の画面と異なることがあります)
【第3回】GCPの無料枠でdev.toなみの爆速WordPress環境を構築する(Google Cloud Platform編)
https://www.karelie.net/free-fast-wordpress-site-gcp/
今回私は、東京から場所が近く、CPU世代もよさそうな オレゴン: us-west1
を選択しました。
OSイメージは、Ubuntu 18.04 LTS を利用しています。
IPアドレスの割当は、静止状態で使っていないと課金されるので注意してください。
また、VMインスタンスを立てたあと、以下のサイトを参考にいくつか設定を追加しました。
- 支払いの明細ログを記録するように設定
- SSH用のPort22を任意のPort番号に変更
GCE の無料枠のサーバを立るときに、初見でハマりそうなところ
https://qiita.com/ndxbn/items/7ef0a96e409a5b5837bd
Cloudflare の設定
GCPの規約では、1Gまでの下りネットワークまでは無料ですが、中国からのアクセスは課金されます。また、日本からアメリカへアクセスすることになるので、データ通信に時間がかかります。
この問題を解決するのがCDNです。クライアントとサーバの間に入って、キャッシュサーバとしての役割を果たしてくれます。
このCDNもCloudflareでは無料で提供されています。
設定方法については、下記のサイトを参考にしてください。
【第4回】GCPの無料枠でdev.toなみの爆速WordPress環境を構築する(ドメイン設定編)
https://www.karelie.net/free-fast-wordpress-site-cf-1/
Cloudflareでは、ルートドメインを登録するとキャッシュ機能が動かないようです。そのため、httpsでアクセスすると挙動がおかしくなる事がありました。
www.foo.tkのようにwwwをつけたドメインを登録することをオススメします。ただし、wwwをつけたURLを登録するのには時間がかかりました。DNSに浸透するのに時間がかかっていると思われます。
以上で、環境準備が整いました。
次回からは、VM内の設定について行っていきたいと思います。